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限局性強皮症

アトピー性皮膚炎の症状の強い方などが「強皮症」ではないかと心配され相談に来られることがよくあります。
強皮症と呼ばれる疾患には、膠原病の仲間である全身性硬化症(強皮症)と、主に皮膚に限定される病気である限局性強皮症がありますが、この項目では後者について記載したいと思います。

限局性強皮症では、身体の各部分に境界のはっきりした皮膚の硬化ができます。また皮膚硬化が起きる前に、その部位に限局性の炎症所見が現れる場合もあります。全身性硬化症とは異なり、レイノー現象(末梢循環障害)、肢端硬化症、内臓の病変などは認められません。
小児から若年成人によく発症し、女児や女性に多いのですが、高齢者にも認められます。

限局性強皮症のタイプには以下のようなものがあります。

(1)斑状強皮症;円形、類円形で光沢のある皮膚の硬化がおきる。時に辺縁にふちどり様の紅斑(ライラック斑)が認められることもある。皮膚の硬化はあまりなく、淡褐色の光沢のある局面のみが認められる場合もある。

(2)線状強皮症;小児の顔や四肢によく発症し、光沢のある皮膚の硬化が認められる。
また皮下の組織(下床)にも炎症性の萎縮をきたすことがある。特に頭皮の脱毛、顔面の陥凹、筋肉や関節の機能障害などに注意する必要がある。

(3)汎発型限局性強皮症;上記のような皮膚の硬化が多発する。

上記の皮膚の硬化や炎症自体は、数年から4、5年で萎縮と色素沈着を残しておさまる場合が多いのですが、広範囲におよぶ皮疹の影響や四肢の障害などの後遺症に注意する必要があります。

血液検査では、自己免疫の関与があるとされており、抗核抗体、1本鎖DNA抗体、リウマチ因子などが陽性になる場合があります。また、シェーグレン症候群などの合併や、その他の免疫異常にも留意する必要があります。
また細菌感染症の関与があるという説もあり、Borrelia burgdorferiの抗体価の検査を行い、必要があれば抗菌治療を行う場合もあります。

全身性硬化症(強皮症)の限局型との鑑別として、全身性強皮症の特異抗体である、抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体などを調べます。本疾患では陰性となります。
その他、硬化性萎縮性苔癬、頭部の脱毛症、深在性紅斑性狼瘡なども鑑別すべき疾患とされています。
最終診断のためには、皮膚の生検をおこないますが、本疾患では真皮の膠原線維の線維化や真皮へのリンパ球の浸潤などが認められます。

○治療法;
ステロイドの外用や局所注射。
ビタミンC、ステロイド、低容量メトトレキサート、トラニラストなどの内服療法。
手術療法。
筋肉や関節の障害にはマッサージやリハビリテーション。

この疾患は生命予後は良好とされていますが、頭部の脱毛、顔面の陥凹、運動器の機能障害、成長障害などは、特に厳密に予防や治療を行う必要があります。

以上のように、皮膚の病変の観察や血液検査にても診断していくことができますが、強く疑われる場合には専門医の受診が必要です。

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