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にきびの治療

最近よく若い方からにきびの治療について相談を受けます。
ここ数年、治療法が少し変わりましたのでまとめてみたいと思います。

にきび(ざ瘡、acne)はおもに思春期から30歳前後までの男女の顔面、前胸部、上背部などにできる吹き出物です。これは「脂腺性毛包での皮脂貯留に基づく慢性炎症性疾患」と定義されています。

にきびは、まず毛包の漏斗部に角化異常が起こり毛包が閉鎖されることから発症します。閉鎖された毛包内に脂腺から分泌された皮脂が蓄積され、面皰(めんぽう)が形成されます。思春期前後の活発なホルモン作用により脂腺の活動が亢進すると、上記の現象が男女とも起こりやすくなります。このように毛包内に大量に皮脂が貯留された状態が「白にきび、黒にきび」と呼ばれるものです。
このようにして、毛包内に貯留された皮脂にアクネ桿菌が感染し増殖することにより、皮脂が分解され、遊離脂肪酸が産生されていきます。これにより炎症反応が引き起こされ、紅色の丘疹や膿疱、いわゆる「赤にきび」へと変化していきます。

●治療法;以上が発症の概要ですが、治療法はそれに対応したものとなっています。

内服薬;抗生剤でアクネ桿菌の増殖を防ぐ(ミノマイシン、ルリッドなど)
          ;ビタミンB2、B6で脂肪の代謝を整える(フラビタン、ピドキサールなど)

外用薬;細菌による炎症を防ぎ治療する、抗菌剤の塗り薬(ダラシンTゲル、アクアチムクリームなど)
;表皮細胞の増殖を抑え、毛包が詰まるのを防ぐ(アダパレン=ディフェリンゲルなど)
;イオウ製剤※

理学療法;ケミカルピーリング※など

漢方薬;荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)※など

(※印は治療法としてはC評価です。C=あまり強くは推奨できない)

●予防や治療のための生活習慣などの改善

にきびを触らないこと;刺激により毛包が詰まりやすくなり炎症がひどくなる。
にきびをつぶさないこと;感染や炎症を起こし瘢痕のもとになる。
化粧品に注意;ノンコメドジェニック(ニキビができにくい)表示のものを使う。
化粧や髪型;化粧は厚くならないように注意する。前髪を額に被せないように注意する。
皮膚を清潔に保つ;1日に2回の洗顔。せっけんでよく洗い十分にすすぐ。
食事;バランスよく、規則正しく適量をとる。偏食を避ける。

●アダパレン(ディフェリン)は約2年前から健康保険で使えるようになった角質の増殖を抑える外用薬ですが、その使い方としては、1日1回、就寝前、洗顔後などに塗布するようになっています。この薬は、でき始めのにきび(微小面皰など)から炎症性のにきび(赤いにきび)まで広く効果があり、治療にも予防に使うことができます。予防のために使う場合には、使用頻度を減らします。
副作用としては、皮膚の乾燥、刺激感、発赤などがありますが、数週で収まることも多いです。皮膚の乾燥に対しては保湿剤を併用したり、またなるべく狭い範囲に塗布するなどの工夫が必要な場合もあります。
アトピー体質の人は、炎症の悪化に注意します。また、使用中は日焼けにも注意が必要です。

最後に、にきびの増悪因子として、薬剤、月経、発汗、精神的ストレスなどがあげられますが、その対策として、よく使うお薬をチェックしてみること、汗は早めに洗い流し、また生理の時や、ストレスを感じた時には無理をせず心身の安静を心がけることなどが大切ですね。

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