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抗リン脂質抗体症候群

最近よく話題になる疾患ですね。
主に産婦人科において、習慣性流産や不育症などが問題となる疾患ですが、 内科などでも脳梗塞や静脈血栓症などを起こす疾患として知られています。

原因は不明とされていますが、血液の中の自己抗体、特にリン脂質に対する自己抗体が証明されます。
膠原病に関連する疾患で、約半数に全身性エリテマトーデス(SLE)の合併が認められます。また強皮症との合併も認められます。
(膠原病の合併のない場合もあります)

習慣性流産と診断された人や、まだ若いのに脳梗塞、四肢の静脈血栓症など血栓性の疾患を起こしてしまった人、また血液検査で血小板の減少が指摘された人などは、この病気を調べてみる必要があります。

(症状の詳細)

産科関連 ;
自然流産、胎児仮死、胎児発達遅延、出産後の母体の血栓症
血栓症関連 ;
下肢の深部静脈血栓症、脳梗塞、一過性脳虚血発作、肺静脈血栓症、肺高血圧症、心筋梗塞、末梢血管閉塞による皮膚潰瘍、網膜、動脈の血栓

(この疾患の分類)
1)原発性(自己免疫疾患を持たない)
2)二次性(全身性エリテマトーデスなどの基礎疾患を持つ)
3)血栓症などの病状が全身に急速に進行してしまう劇症型

主に1)2)の二つに分類されますが、3)の場合もまれに認められます。

下肢の腫れや痛みが何回も起こったり、脳梗塞や一過性の脳虚血などを引き起こしたりなど、この病気の可能性が考えられる場合には、まず血液検査で上記の抗リン脂質抗体(β2依存性抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラントなど)を調べることになります。抗リン脂質抗体が(12週間をあけ2回以上)証明され、血栓症や産科的合併症がある場合には下記の治療が行われます。

(治療法)
ワーファリンをプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)を指標にして服用する。
そのほか、ヘパリン、アスピリンなどで治療する。

お薬以外では生活習慣の改善、禁煙、経口避妊薬の中止、血圧や血中脂質の正常化などが重要であるとされています。
以上、産婦人科と内科にまたがる、注意すべき疾患として、ご参考になさってください。

 

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