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BNP (心不全の血液検査)について

Brain natriuretic peptide(脳性ナトリウム利尿ペプチド)という名前の検査項目があります。BNPとは心臓に過度に負担がかかった際に、心室から分泌され、心臓の負担を助けるように働いている血管ホルモンですが、この値を調べることによって心臓の機能の不全状態(=心不全の状況)を知ることができます。

先日受診された患者様ですが、60代の男性でした。「心臓が苦しい」という自覚症状で検査を希望されました。

心臓の検査には、レントゲン、心電図、心エコーなどがありますが、軽い心不全などの診断には問診(質問)が主に診断の根拠になります。あまり客観的とはいいがたいデータですね。

心不全の症状の分類にはNYHAの基準がよく用いられます。I度、II度、III度、IV度と分かれており、たとえばI度は「日常生活では症状が出ない程度」、II度は「安静時には症状は出ないが日常の活動で苦しさを感じる状態」などと規定されています。

このI度の心不全は、心電図やエックス線検査などではなかなか見つけることができません。また、II度の心不全でも、ご本人が気がつかないうちに進行している場合もあります。このような場合に、採血してBNP検査を行えば正しく心臓の状態を把握することが評価することができるのです。

例えば、上記の患者様は、BNPの検査や心電図などでも異常は認めらず、他の疾患(この場合は喘息)による胸苦しさではないかと判断されました。

人間ドックなどの心電図検査などでも軽度の心不全を見つけることは不可能です。この場合にもBNP検査を加えることによって、軽度の心不全を見つけることができます。早期に心不全が見つかればその進行予防や改善に取り組むことができます。生活習慣や体質の改善にも、自然真剣に取り組むようになるでしょう。またカゼや腸炎などのありふれた疾患でも、異常に身体が苦しくなる原因が、実は心不全によるものであったとわかったりする場合もあります。
原因がわかればそれなりの対処ができるのです。心不全が見つかれば、状況に応じてACE阻害剤や、ジギタリス製剤、利尿剤などで治療することができます。さまざまな心疾患を抱えていらっしゃる方にとっては、とても有益な治療の指標になると思われます。

心不全の初期症状としては、階段や坂道で息が切れる、日常の動作や作業で疲れやすい、むくみやすいなどがあります。また、さまざまな生活習慣病、睡眠時のトラブル、日常のストレス、飲酒、喫煙、食べすぎ、肥満、向精神薬の常用なども心臓に影響を与えます。

血液を採るだけで簡単にできますので、一度ご相談ください。

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