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痛風・高尿酸血症の生活改善ポイント

痛風・高尿酸血症の生活改善ポイント

痛風・高尿酸血症の項目はすでにありますが、今回は食事療法や日常生活の注意点をまとめてみました。

●病態の概略
高尿酸血症や痛風の原因となる尿酸は、体の細胞の中にあるDNA、RNAなどの核酸や、細胞内でエネルギー源となっているATP(アデノシン三リン酸) などが分解されたものです。
それらはまずプリン体となり、さらに代謝されて尿酸となります。血中の尿酸のバランスが崩れ値が上昇すると、高尿酸血症や痛風になって行きます。
また、尿路結石症、腎障害(痛風腎)などに進む場合もあります。

以下は生活習慣の改善ポイントです。

○肥満の解消
肥満があると尿酸排泄低下型の高尿酸血症になりやすいとされています。近年、過食、動物性蛋白のとりすぎ、ファーストフードの普及、また運動不足による肥満などで、高尿酸血症が増加しています。標準体重を目指して減量しましょう。

○食事のとり方
食事の総カロリーを減らしましょう。1日の総摂取カロリーの目安は標準体重(kg)×25〜30kcalで計算します。
食事は3食規則正しくとり、主食(ごはん、パンなど)、主菜(肉、魚、豆腐 など)、副菜(野菜類)をバランスよくとりましょう。
また食事をゆったり摂る事も大切です。

○塩分の制限
高血圧症との合併を防ぐためです。

○外食について
外食はカロリーが高いので注意しましょう。この場合も主食、主菜、副菜のそろったメニューを選びましょう。

○アルコールの制限
アルコールを飲むと、その代謝過程においてATPの分解が促進され尿酸の産生が増加します。また血中の乳酸値が上昇することにより、尿酸の排泄が抑制され尿酸値が上がりやすくなります。
アルコール摂取の目安は、1日に日本酒に換算して1合程度(エタノールとして30g程度)です。飲まない日も作りましょう。

☆参考
エタノール30gに相当する各種お酒の量
ビール;大ビン1本
ワイン;ボトル3分の1本
ウイスキー;ダブル1.5杯
焼酎;3分の2合

またアルコールはカロリーが高く、中でもビールには麦芽由来のプリン体が多く含まれているので注意が必要です。
プリン体を除去した発泡酒では尿酸値が上昇しにくいとされています。

○運動療法
高尿酸血症では、最大運動強度の30〜40%程度の軽い有酸素運動が推奨されています。例えばウォーキングや水中歩行などです。
軽いエクササイズにより尿酸の排泄が促進され、尿酸値が低下します。また肥満の解消にもつながります。

注意しなければならないことは、激しい無酸素運動では、逆に尿酸値が上がってしまうということです。これは、運動により、細胞内エネルギー源であるATPが代謝され尿酸値が上昇したり、運動の結果産生された乳酸により尿酸の排泄が抑制されることになどによります。
マシンを使ったトレーニングや、脈拍が1分間に110〜120を越えるような運動はこの無酸素運動に当てはまります。

○尿のアルカリ化
痛風や高尿酸血症においては、酸性尿(pH6.0未満)の人が多く、放置すると尿路結石へと進みます。酸性尿では尿酸が尿中に溶けにくいからです。

食事療法などにより、pH6.0−7.0に是正し尿酸の尿中溶解度を上昇させましょう。尿のpHは医療機関で簡単に調べることができます。
具体的には、野菜、いも類、海藻類などのアルカリ性食品を十分にとり、尿をアルカリ性に保ちます。ただし、果物はとり過ぎないようにしましょう。
食事療法で効果が不十分な場合には、尿アルカリ化薬を服用します。

○水分の摂取
尿中の尿酸溶解量を増加させるため、1日2,000mL以上の尿量を保つように水分を十分摂りましょう。ただし、糖分の多い飲み物はひかえましょう。
また、お薬を服用するときにも、水を多めに飲むようにしましょう。

○プリン体の制限
食品中の尿酸合成の基になるものがプリン体です。
尿酸は通常の代謝により一日に約700mg作られています。これに対して、食事から摂取される尿酸の分量は300〜400mgです。このように、食事外の要素も大きいので、プリン体の摂取制限は以前ほど厳密には言われなくなりました。
しかしながら、プリン体を多く含む食品を好んで多く食べるのは良くありません。プリン体が多く含まれる食品を把握して、それらはなるべく避けるようにすることが望まれます。

○プリン体が特に多い食品
重さ(あるいは体積)あたりの細胞数の多い食品や、そのスープなどが該当します。肉料理の場合プリン体は肉汁に溜まりますので、肉汁は飲まずに残しましょう。また魚のスープ、とりがらスープ、とんこつスープなどにも多く含まれます。
肉や魚の内臓、魚の卵などは、控えめにしましょう。
魚介類では、いわし、かつお、あじ、さんま、えび、かに、うになど。さらには干し椎茸などの乾物にも注意が必要です。

食品100gあたりのプリン体を考えた場合、
極めて多いもの(300mg〜)
多いもの(200mg〜300mg)と分類することができます。
下記の表は、100gあたりではなく、一人前の分量ですがご参考になさってください。

☆食品中のプリン体含有量
食品名と1人前の分量、その分量に含まれるプリン体の量(mg)

プリン体が極端に多い食品
あん肝50g;199.6
イサキの白子50g;152.8
焼肉牛レバー120g ;122.2

プリン体が多い食品
牛肉ヒレステーキ200g;84.6
豚ロースステーキ200g79.8
カツオ切身80g;72.2
クルマエビ80g;68.6
アジの干物60g;65.3
サンマ切身80g;54.4
マグロ切身80g;53.8
タラバガニ100g;47.4
ヒラメ切身80g;46.0
マダコ80g;45.8

○メタボリックシンドロームとの関連
高尿酸血症は、肥満,高脂血症、耐糖能異常、高血圧症などのメタボリックシンドロームを構成する疾患との合併が多く、その場合には、脳血管や冠動脈な どの重大な疾患も発症しやすくなります。
生活習慣の改善により高尿酸血症を改善することは、他の疾患の発症予防にもつながります。
ただし、血清尿酸値の低下による動脈硬化性疾患のリスク低下を明確に示したエビデンスはなく、また、尿酸は強力な抗酸化物質であるとの説もあります。

○ストレスとの関連
痛風発作はストレスにより発症しやすくなるとされています。
どの疾患にもあてはまることですが、ストレスをためないようにしましょう。

それでは、「痛風・高尿酸血症」の項目もお読みになってください。

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