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もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)

この病気の方が最近おられました。

脳の動脈に問題があり、脳の血液の分布の異常や、時には脳出血などが起きる疾患です。
心臓から送り出された血液は、頸部を通り頭蓋骨に入り、脳に供給されます。
脳内に入って行く動脈は左右の内頸動脈と椎骨動脈の4本です。この4本の動脈が合流して、脳底部でウィリス動脈輪という動脈の輪を作ります。この環状の動脈から分岐した動脈が脳内にくまなく血液を送り届けるしくみになっています。

ところが、もやもや病では、この内頸動脈終末部が両側に慢性かつ進行性に閉塞してしまうのです。その結果、ウィリス動脈輪から脳全体にかけて、脳の血流が不足してしまいます。それを補うために、多数の穿通枝と呼ばれる細い動脈が側副血行路(バイパス、迂回路)として発達していきます。

この側副路が脳血管撮影にて、もやもやとタバコの煙の様に見えるのですが、これがこの病気の名前の由来なのです。

東洋系に多く(日本人に多い)、また家族内発生も約10%に認められます。原因は不明で、難病に指定されています。

症状としては、脳虚血(一過性脳虚血、脳梗塞)や脳出血などがあります。

発症年齢には2つのピークがあり、10歳以下の小児と、30歳〜40歳の成人に多く認め られますが、小児には脳虚血発作が多く、成人では脳出血が起きやすくなります。

脳虚血症状(脳に血液がうまく流れない症状)としては、四肢の脱力、失神発作、けいれんなどがありますが、「泣く、楽器を吹く、熱い食べ物を吹いて冷ます」など、過呼吸時に発作が起きやすいとされています。

成人になると、細い動脈である「もやもや血管」に長年負担がかかってきたことが原因 となり、それがついに破綻して、脳内出血、脳室内出血などが起きてくるとされています。

破綻の前に動脈瘤が検査で見つかることもあります。

○診断;
MRI;大脳基底核部に、もやもや血管のflow void が見られる。
MRI;もやもや血管や両側内頸動脈終末部の狭窄・閉塞が認められる。
*flow void;穿通枝が拡張するためMRIで小さな信号の抜けとして描出されるもの。小孔。

確定診断;脳血管撮影でもやもや血管を認める。

○治療;脳血行再建術、抗血小板薬の投与、高血圧がある場合は降圧薬など。

○手術の方法;
小児では浅側頭動脈中大脳動脈吻合術、および、側頭筋接着術EMSを両側に施行する。
成人では浅側頭動脈中大脳動脈吻合術を両側に施行する。

日常生活では、過呼吸にならないように注意します。
過呼吸の状態になると、血液のCO2(二酸化炭素)濃度が低下し、その結果、脳の動脈に攣縮がおき、脳虚血症状が出現するとされています。

小児の場合は、適切な治療により、症状も消え、脳も正常に発達することが分かっています。

よく過呼吸発作を起こす場合、ただの過換気症候群ではなく、このような病気の可能性も考えられます。あるいは頭痛、吐き気、行動異常などが目立つ場合なども、この疾患を 念頭においてMRIなどの検査を行うことも大切かもしれませんね。

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