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気管支喘息(喘息)

発作性に咳や気道に喘鳴が発生し、呼吸が苦しくなる病気です。主にアレルギー体質の人に起きますが、アレルギーが関与しない喘息もあります。

●分類
○アレルギー性喘息;IgE抗体依存性喘息
             ;IgE抗体非依存性喘息

○非アレルギー性喘息

発作は夜から明け方にかけて起こりやすく繰り返し起きる傾向があります。
多くの場合において、アレルギー性反応が主体となっており、特にダニや HD(ハウスダスト)に対するIgE抗体が出現している場合が多いです。
もちろん他のアレルゲンによるものもあります。

病態を説明すると、外界からの刺激やアレルギー反応などにより、気道が狭くなり、気道に炎症が引き起こされます。
気道というのは、鼻の粘膜から気管、気管支、細気管支までが含まれます。
気管支のみならず気道全体に炎症反応が起きているため、最近では気管支喘息ではなく、単に「喘息」と呼ばれる場合も多いのです。

●喘息時のアレルギー反応
○即時型アレルギー反応;マスト細胞(肥満細胞)から放出されるヒスタミンやロイコトリエンなどにより引きおこされる。
○遅発反応;アレルギー刺激後6〜24時間で出現;マスト細胞や樹状細胞、またTリンパ球などから放出されるサイトカインによって引き起こされ、好酸球や好塩基球などの炎症細胞が主体となる反応。

上記のアレルギー性の炎症と、気道の上皮細胞、分泌腺、線維芽細胞、気道平滑筋の細胞などの病的な反応により、平滑筋の攣縮、粘膜の浮腫、分泌亢進などがもたらされ、気道閉塞をきたすのです。

このような急性の気道閉塞のほかにも、慢性気道炎症、気道リモデリング、気道過敏性などの病態も喘息を考える上で重要な項目になります。

喘息体質の患者さんの場合、発作がないときにも、気管支などの粘膜には 慢性の炎症が起きており、好酸球などの炎症性細胞が集まっています。
そして、気道リモデリングが徐々に進み、過敏性が高い状態になっています。

気道リモデリングとは、長期にわたって炎症と修復を繰り返すうちに、気道上皮細胞や気道平滑筋が変形し、気道の壁が厚くなり、元に戻りにくくなるというものです。
詳しく述べると、気道上皮下の繊維化、気道平滑筋の増殖、粘膜上皮の変化(粘稠な分泌物を作る細胞に変化する)などが見られ、非可逆的な(元に戻りにくい)気道の狭小化が起きています。
また気道の細胞のステロイドに対する反応性も低くなっています。

また、過敏状態とは、慢性的な炎症により気道粘膜上皮が損傷を受けてしまったため、 種々の刺激に対して反応性が亢進し、容易に気道が収縮したり、痰が増加して気道に 詰まってしまい、発作が起こりやすくなるというものです。

●発作の誘発について
気道粘膜上皮はバリアー作用を持ちますが、アレルギー性の慢性炎症や、ウイルス感染、細菌感染などでバリアー機能に障害が起き、発作が起こりやすくなります。
カゼ、疲労、抗原曝露などが喘息の引き金となりますので注意が必要です。

●喘息の治療について
上記のごとく、遅発反応が連続すると気道は慢性炎症状態になります。
気道は過敏状態となり、気道リモデリングが起こってしまいます。
リモデリングは小児期からも徐々に進みますので、軽い発作も甘く見ず、小児期から「発作ゼロ」を目標に治療することが大切です。治療の目安は、 スパイロメータやピークフローメータなどを用いて呼吸機能を調べます。

治療の目標;「発作のない状態を保つ;気道の変化を防ぐ」
治療の目安;「ピークフローメーターで自己測定」
PF予測値の;「〜80% 軽症、70% 軽症持続型、60% 中等症、60%〜 重症」

無発作を3年間以上保つことができたら、バリアー機能の修復がなされ、慢性炎症状態から回復がなされたと判断することができます。

●治療計画は以下のように分けて考えます。

○長期慢性管理
間欠性喘息(軽症で短期的な発作)
軽症持続型喘息
中等症持続型喘息
重症持続型喘息
○急性発作の治療

●上記に合わせて以下のようなお薬から、適切なものを選んで治療します 。
○短時間作用性β2刺激薬;サルタノール、メプチンエアー、
ベネトリン(生理的食塩水で希釈し吸入)など
○吸入ステロイド;気道炎症を改善、気道リモデリングの進行を抑制;パルミコート、フルタイドなど
○長時間作用性β2刺激薬;セレベント、ホクナリンテープなど
○テオフィリン徐放製剤;ユニフィル、テオフィリンなど
○ロイコトリエン受容体拮抗薬;オノン、シングレア、など

吸入ステロイドは必要最小量を使用しますが、その増減の目安としては、β2吸入薬の必要量を参考にします。例えば、1日4回以上も吸入が必要な場合 には、吸入ステロイド薬を増やす必要があるとされます。

テオフィリンは痙攣の既往のある小児、発熱中の小児、乳児などには、特に慎重に投与する必要があります。

近年、治療成績はどんどん向上しています。病態を理解し、適切な治療で発作を防ぐとともに、普段からリモデリングの進行の予防に努めましょう。

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