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アレルギーのお話

アレルギーってよく聞きますが、一体何なのでしょう?

アレルギーには原因となる物質があります。これをアレルゲンといいます。
アレルゲンが体に入り、アレルギー反応が起きることにより、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなど各種が疾患が生じます。
このような、さまざまな物質に対する過敏症が原因となる疾患のうち、アレルギー反応が関与しているものをアレルギー疾患と呼びます。

○まとめ
過敏症のうち、アレルギー反応によるものをアレルギー疾患と呼ぶ。
その中で、IgE抗体依存性アレルギー疾患;喘息、花粉症など。
その他に、IgE抗体非依存性アレルギー疾患;かぶれなど。

●アレルギー反応とは?
アレルギー反応は免疫反応の一部です。
免疫システムは本来、私たちの体にウイルスや細菌、寄生虫などの危険な物質が入ってきたときにそれを撃退し身を守るしくみです。
ところが危険でない物質(ダニ、花粉、食べ物など)が侵入した際にも、この免疫システムが強く働き、かえって体に有害な作用が引き起こされる場合があります。これをアレルギー反応と呼ぶのです。

●アレルギー反応のしくみ
アレルゲンは、鼻やのど(上気道)、気管支、腸などの粘膜や皮膚から侵入します。
この部分には上皮細胞からなるバリアーが存在し、細菌やウイルス、アレルゲンなどを防いでいますが、かぜやストレス、疲労などでバリアー機能が低下すると、その侵入を許してしまうことになるのです。

体内に入った、細菌やウイルスや他のアレルゲンなどは、マクロファージ(大食細胞)によって貪食(どんしょく)されます。
マクロファージは、細菌やウイルス、異物、体の細胞の破片など、さまざまなものを取り込んで、酵素で分解しているお掃除屋さんです。

この分解の過程で、マクロファージはサイトカイン(細胞間情報伝達物質)を分泌します。
この情報により、白血球を呼び寄せたり、脳の視床下部に働いて発熱をうながしたり、炎症反応などを引き起こしたりします。このマクロファージ中心の免疫を自然免疫と呼びます。

自然免疫のほかに、獲得免疫と呼ばれるものがあります。
これは、より複雑な過程で、二度目以降の感染や抗原の暴露に備えるものです。

体内に入った異物は、上記のマクロファージのほかに、樹状細胞に遭遇します。
これは皮膚や粘膜のバリア付近の最前線にたくさん存在する細胞です。
この樹状細胞は異物を貪食(どんしょく)し、その情報をリンパ節に持ちかえり、それをヘルパーT細胞 に伝える役割を担っています。(抗原提示)
ヘルパーT細胞は免疫システムの司令塔の役割を行っています。

一方リンパ節は、樹状細胞やリンパ球などが集まっている組織で、免疫反応の場となっています。(リンパ球は白血球の一種で、T細胞、B細胞などの種類があります。)

ここでは提示された異物が細菌やウイルスのような危険な物質であった場合、1型ヘルパーT細胞が対応し、B細胞に働き、IgG抗体を作り、それを撃退します。

侵入した異物が、花粉などの危険ではないアレルゲンなどの場合もあります。
かぜや慢性炎症などでバリアー機能が低下している場合、普通はバリアーを通過しないダニや花粉などのアレルゲンが体内に入ってしまいます。
これらの物質はまず樹状細胞に取り込まれます。そして樹状細胞は、近くのリンパ節に遊走し、(花粉などの有害でない物質の場合には)その情報を2型TヘルパーT細胞に伝えます。そして、B細胞により、この場合には、IgE抗体が作られます。
このとき、細胞間の伝達物質として、インターロイキン4が樹状細胞から分泌されます。

インターロイキン4で刺激された、樹状細胞やマスト細胞はIgE受容体を持つようになり、この受容体にIgEが結合し、さらに多くのアレルゲンと反応を起こすようになります。
この結果どんどん雪だるま状に、2型ヘルパーT細胞やIgEが増えて行くことになるのです。

一連のアレルギー反応の最終過程では、マスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの顆粒が放出され、アレルギー反応が起こるのです。

その過程をまとめると;
アレルゲンに対して特異的に反応するIgE抗体が、マスト細胞表面のIgE受容体に結合している。
そのIgE抗体とアレルゲンが結合する。
その結果マスト細胞かヒスタミンやロイコトリエンなどが放出されアレルギー反応が起きる。
これらの物質は、知覚神経を刺激して、さまざまな症状を引き起こす。
このようなことになります。

これが獲得免疫によるアレルギー反応の概要ですが、この反応は、本来異物の侵入を防ぎ身を守るものなのですが、過剰になると返って体に害を与えるようになるのです。

(注)
○特異的IgEというのは、ある物質(たとえばダニ)に決まって反応するIgEという意味です。情報を伝える樹状細胞、選択されたヘルパーT細胞やB細胞などの機能により、特異的なものが選ばれ増大します。
○上記文中にて;アジュバントの問題、1型ヘルパー細胞の中の炎症性T細胞、制御性T細胞などの話は省略しています。

●体質と環境の問題
ヒトのIgE抗体を調べて行くと、リンパ節で2型ヘルパーT細胞が増殖し、IgE値が高い、アレルギータイプの人と、1型ヘルパーT細胞が増殖した感染型の人に区別されることがわかっています。
(IgGの値のように、正規分布を成さないのです。)

遺伝に関しては、アレルギー疾患を起こす遺伝子は20以上報告されています。
また白血球や臓器細胞や樹状細胞の型(血液型のようなもの)であるHLAにも規定されます。このような遺伝的な傾向と、生後数週間から数年間の環境がアレルギー体質を作るもとになるのではないかと考えられています。

最近のアレルギー疾患の増加の原因としては;
スギなどの花粉飛散量の増加、
屋内空調設備の普及による、ダニの増加、
幼小児期の、細菌やウイルス、あるいは動物やその分泌物への接触の減少、などがあげられています。

●アレルギー疾患の予防の問題
いったん生じたアレルギー体質は変わりにくいものですが、明らかにアレルゲンが認められた場合、できるだけそれを除去することが重要になります。
一般には卵(卵白)、ダニ、花粉などなどが良く話題になりますね。

原因アレルゲンとして最も多いダニアレルギーの場合、ダニの腸管分泌物(糞に含まれる)であるDer p というタンパク質などが特定されています。

また、気道や皮膚粘膜などのバリアー機能の低下していることが多いので、基礎疾患を治し、体を安静にし、バリアーを修復することが重症化を防ぐ決め手になります。

子供のアレルギーを予防するために妊娠中や授乳中に、卵や牛乳を制限する方法もありますが、その効果に関しては否定的な見解が多いです。

また新生児期からのミルクアレルギーらしきものは、牛乳成分に対する過敏症でありアレルギー疾患ではない可能性が高いといわれています。
また卵白や牛乳に対するIgE抗体も、3歳くらいで下がり始めることが多く、耐性の獲得もあり、過剰に診断することは避けたいものですね。

●衛生仮説
不潔な家?で育った子供ほどアレルギーが少ないという説です。
小さい頃、身の回りに、細菌、ウイルス、細菌由来のエンドトキシン、ペットや牛馬などの動物、カゼをうつしてくれる兄や姉に囲まれて育った子供のほうが、アレルギーになりにくい。という仮説です。
上記樹状細胞の表面にある、TOLL様受容体が、エンドトキシンを受容し、1型ヘルパーT細胞の増殖を促し、その結果2型ヘルパーT細胞の割合が減るのではないかと推察されています。
○上記まとめ;
不潔な環境にあるアレルゲンはアレルギーを起こす。
不潔な環境にある、細菌由来の成分はアレルギー反応を抑制する。
このようにいわれています。どうしたらいいんでしょうね?あまり神経質に ならずに普通に暮らしましょうということでしょうか。

●アレルギー体質の診断;
特異的アレルゲンIgE抗体を測定。
あるいはプリックテスト(針で傷つけた皮膚+アレルギー物質の反応で判定)。

近年環境が悪化し、アレルギー疾患は増加しています。
血液のIgE抗体を調べれば、簡単に安全にご自身のアレルギー状態を知ることができます。いつでもご相談ください。

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