お知らせ

百日咳

メディアなどで報道されている通り、今年になって百日咳が流行しています。特に20歳以上の成人患者の率が30%を超えていますが、成人患者は子供への感染源となるので注意が必要です。

DPT未接種者や、DPT接種から5年10年が経過した大学生や成人に流行が広がっており、時には小学生でも集団発生が見られます。流行の背景にはDPT三種混合ワクチンの接種率の低下が考えられます。
DPTワクチン接種の励行が求められるところです。

百日咳は、百日咳菌や一部パラ百日咳菌の感染によって起きる気道感染症です。感染経路は鼻、咽喉、気道からの分泌物による飛沫感染や接触感染です。菌体からは線維状赤血球凝集素や百日咳毒素などが放出され病態を形成します。

病期
(潜伏期;7〜10日前後)
●カタル期;1〜2週;風邪のような症状。次第に咳が強くなる。
●痙咳期;2〜3週;連続性の激しい咳き込みや、笛声などの、咳嗽発作を繰り返す(レプリーゼ)。
●回復期;1〜2週;回復に向かう。百日咳毒素(PT)による気道の過敏状態が残っている。
(全経過;2〜3ヶ月)

夏から秋にかけて多く発生します。熱も無いのに咳が続く場合、百日咳を疑うことが大切です。特に、DPTワクチン未接種者や、夜間の増悪する咳が目立つ場合には、末梢血の検査を行ってみる必要があります。
乳児期初期には痙咳期の特有の咳がなく、無呼吸発作やチアノーゼが主症状の場合もあるので特に注意が必要です。

いずれの年齢でもかかりますが、やはり小児が中心です。
1歳未満、特に6ヶ月未満は死亡率が高く、致命率は全小児で0.2%、6ヶ月未満の乳児で0.6%とされています。

成人の百日咳では、咳が長期にわたって持続しますが、発作性咳嗽などはなく、診断が付いてない場合もあります。このような場合にも、菌の排出があるため、周辺への感染源となるのです。

●検査
白血球の増多(リンパ球の増加)。CRP陰性(軽度上昇の場合も)。
成人やDPT接種者は検査では分かりにくい。

●診断
鼻咽頭からの百日咳菌の分離同定。血清診断として百日咳凝集素価の測定。

●治療
カタル期に有効な抗生剤を投与するのが最も良い治療です。痙咳期に入ると抗生剤は効かなくなります。しかし、ほとんどの場合、痙咳期に入ってやっと診断が付くことが多いのです。
痙咳期には、百日咳毒素を中和するためにγグロブリンの大量投与が行われます。

○抗生剤;マクロライド系抗菌剤。
○鎮咳剤や去痰剤;アスベリン、ムコダイン、ビソルボンなど。
○入院の場合は抗生剤の静注、γグロブリン静注など。

百日咳患者と接触した家族や関係者には、マクロライド系抗菌剤を10〜14日投与し、発症を防ぎます。

ロシアではジフテリアが発生し、わが国でもこの百日咳の流行です。
DPT三種混合ワクチンの接種はとても大切ですね。

 

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