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肝良性腫瘍

肝臓の腫瘍には悪性のものがありますが、ここでとりあげるのは良性腫瘍です。超音波検査や、CT検査、MRI検査などの画像診断で偶然発見される場合が多いのですが、良性といわれても、とても心配なものです。
普通、特に症状はありませんが、肝腫大、右上腹部の不快感などを訴える方もあります。また合併症もあまりありませんが、腹腔内出血などが起きることもあり、また悪性化(癌を発生)する場合もありますので、腫瘍の種類に応じて経過観察が必要です。
肝機能検査は正常、もしくはわずかに上昇とされています。

以下に列挙します。●印が重要なものです。

【肝結節性病変】
§肝硬変の肝臓にみられる過形成
○大再生結節;硬変肝にみられる直径1cm前後の結節。
○腺腫様過形成;直径1cm前後の結節。肝細胞癌へ進行することもあり注意が必要。

§非肝硬変にみられる過形成
●限局性結節性過形成;皮膜を伴わない境界明瞭な、正常肝細胞から成る硬い結節。不妊ホルモン療法などとの関連が指摘されている。
○結節性再生性過形成;多発性の再生性結節。門脈や肝静脈の循環障害に対する反応性の再生性変化と考えられる。

【良性腫瘍】
●肝血管腫;単発性でゆっくりと発育する。大きくなっても無症状で、出血などはきわめてまれ。治療の必要はない。
  ただし、血管種内血栓症などに注意。緊急時には外科手術や肝動脈塞栓術を行う。
●肝細胞腺腫;境界明瞭な肉眼的には黄色調の単発の結節。妊娠分娩年齢の女性に起きる。増大して腫瘍内出血や壊死をきたし、肝細胞癌との鑑別が必要になることもある。経口避妊薬や、蛋白同化ホルモン、女性ホルモンなどが影響している。
●炎症性偽腫瘍;発熱時などに発見される。慢性肝膿瘍の修復過程であると言う見解もある。
○胆管嚢胞腺腫;中年の女性に稀に起きる。多房性嚢胞性腫瘍 であり、胆管上皮に乳頭状に増殖する。悪性化することがあるので切除術を行う。
○胆管腺腫;手術時などに偶然見つかる。悪性化はない。
●血管筋脂肪腫;腎臓に良くできる良性腫瘍。肝臓にもまれに発生。
  超音波検査にて見つかる。脂肪細胞、血管、平滑筋の3成分から成る。
  脂肪化を伴う高分化型肝細胞癌との鑑別。治療の必要はない。

【嚢胞、膿瘍】‐腫瘍ではないのですが。
●肝嚢胞;腹部の超音波検査やCTで偶然見つかるが治療の必要はない。
  孤立性(単発性)の場合と多発性の場合がある。薄い嚢胞状の膜の中に液体を貯留している。
●膿瘍;細菌感染、アメーバー赤痢、寄生虫の感染などによって、液体のたまりができ、内容物が膿となっている。

肝臓の画像診断で、癌ではない腫瘍があるといわれた場合は、上記をご参考にしてください。

 

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