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多発性筋炎(皮膚筋炎)、PM/DM

PM/DMは原因不明の骨格筋の炎症性疾患です。自己免疫現象を伴うため、自己免疫疾患(膠原病)に分類されています。

原因としては、自己免疫異常、ウイルス感染、遺伝的要因などが考えられています。他の自己免疫疾患と合併することがあり、自己抗体が認められ、また副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤が有効であることなどから自己免疫疾患と考えられているのです。

発症は女性にやや多く、小児から老人までみられます。発症年齢は、まず小児期(5歳〜14歳)に小さなピークがあり、次いで成人期(35歳〜64歳)に大きなピークが認められます。

筋肉の障害(炎症や変性)により、筋肉が痛んだり、力が入らなくなったり、疲れやすくなるという症状が出現します。また筋肉だけではなく他の臓器にも病状が及びます。

この病気のうち、特有の皮膚症状を伴うものを皮膚筋炎とよびます。多発性筋炎と皮膚筋炎の違いは必ずしも明確ではありません。

高齢者には、悪性腫瘍を合併する多発性筋炎が多く認められます。また小児では壊死性血管炎の合併が多いとされています。封入体筋炎と呼ばれる、遠位筋(体幹から離れた部位の筋肉)の障害が強く、CKの上昇が軽く、またステロイド無効の病型もあります。

●臨床所見のまとめ
筋症状;
筋力低下は近位筋(=体幹部の筋肉)に起こりやすい。
筋肉の痛み。嚥下障害や呼吸障害が起こることも。

血液検査では筋原性酵素(CK,LDH,GOT,アルドラーゼ)などが上昇。
筋電図には筋原性変化が現れる。
生検では炎症細胞浸潤、筋線維の変性、筋線維の大小不同などが認められる。

皮膚症状;
上眼瞼の皮疹(ヘリオトロープ斑)、手指関節の紅斑(ゴットロン疹)、頸、肩、胸などのショールサイン、色素沈着や脱色、多形皮膚萎縮症など。これらを伴う場合は皮膚筋炎と呼ばれる。また筋症状のないものもあるが、2年以上筋症状がない場合に判定する。

全身症状;発熱(微熱が多い)、全身倦怠、食欲不振、体重減少など。
関節症状;関節痛や関節炎。関節リウマチよりは軽症。
レイノー現象;寒冷時に手指が白くなり、しびれる。
呼吸器症状;間質性肺炎。
心臓の症状;脚ブロック、不整脈、心筋炎など。CK−MBが上昇。悪性腫瘍の合併。

●診断;
近位筋の対称性筋力低下、筋電図、筋生検、筋痛、関節痛、炎症所見、抗Jo-1抗体などを参考に診断する。

●治療
治療の目標;筋炎の沈静化、筋力の回復、日常生活の向上。

○薬剤療法
副腎皮質ステロイド剤;プレドニン錠、ソル・メドロール点滴静注など。
免疫抑制剤;メトトレキサート、アザチオプリンなど。
γグロブリン大量静注療法;ヴェノグロブリン-IH(検討中)。
CKの値などや、MMT(徒手筋力テスト)などを目安に治療を行う。

○食事療法;
筋肉再生のために高蛋白食、高カロリー食を摂る。

○一般治療
日常生活では筋肉に負担をかけないようにする。
状況に応じてリハビリテーションを行う。
例えば、急性期にはリハビリテーションは行わず安静を保ち、筋原性酵素(CK値)が高値の時には、同値が正常するのを待つなど。
関節拘縮の予防;
皮膚筋炎(DM)の場合は紫外線を避ける。

●病状安定化のために;ストレスの回避、感染予防など。

まれな疾患ですが、小児期にも発生しますので油断はできません。他の筋肉疾患との鑑別も重要です。

 

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