お知らせ

麻疹(はしか、ましん)について

最近話題になっている麻疹のお話です。
麻疹はウイルス性の疾患です。(パラミクソウイルス科、RNAウイルス)

現代の先進国ではほとんど発生がありません。しかし、日本は予防接種の制度が甘いので、経済大国?でありながら途上国なみの発生頻度となっています。昨年よりMR(麻疹・風疹混合ワクチン)の2回接種制度に切り替わったのは大きな進歩といえます。しかし、未接種者に対して は方策がありません。例えば、小学校入学時などに、接種の確認をするようにすべきではないでしょうか。

麻疹は主に春先に流行します。今年は大学生を中心に流行がみられ、大変な話題になりました。ワクチンや検査試薬が足らなくなり困ってしまった医療機関もあります。
大学生など、成人の麻疹は、小児に比べて症状が重く、また肺炎や脳炎などの合併症を起こす率も高いとされています。
感染力は非常に強く、流行が蔓延すると、1才未満のワクチン接種前の乳児にも広がる恐れがあります。

麻疹は、飛沫感染でヒトからヒトへと伝播していきます。潜伏期は10日前後です。カタル期(風邪症状;咳、鼻汁、結膜充血などの時期)が3日4日ほど続き、その間は感染性が特に強いとされています。

発熱やカタル症状のあとに、発疹の時期が来ます。発疹の時期には再度高熱が出現します(二峰性発熱)。その頃になると粘膜の症状も強く、口の中はざらざらに荒れ、コプリック斑が出現します。気道粘膜にも病状は 進み、気管支炎や気管支肺炎を併発することもあります。
この時期には、脱水症を防ぐこと、細菌による二次感染を防ぐこと、脳炎 などの合併症を監視することが重要になります。

発疹の出現後、経過が良ければ3日前後で解熱し、発疹は黒くなり、色素沈着を残して治癒に向かいます。色素沈着は全身に及び、かなり強いですが、徐々に薄らいで元の皮膚に戻ります。この頃になると他の人にはほとんど感染しなくなます。罹患後は終生免疫が成立します。

●合併症
二次性細菌感染症;肺炎、中耳炎など

ウイルスによる、あるいはウイルスに対する免疫応答による障害;
脳炎、巨細胞性肺炎、ARDSなど。

麻疹による免疫抑制によるもの;結核などの再燃。

●治療;一般的なウイルス感染症の治療。解熱、消炎、脱水予防をします。
また、二次感染の予防や治療のためには抗生剤の投与を行います。
症状の重い人には、ガンマグロブリンの筋注も考慮します。

●予防接種;
普通1歳からワクチン接種をしますが、大流行すれば生後6ヶ月からの接種も考えます。また、ある地域で流行がほとんどない状態が続くと接種していても麻疹に罹患してしまうケースが増えてきます。これを防ぐには2回接種が有効とされています。
麻疹生ワクチンの有効率は95%以上とされています。

患者さんと接触後でも、72時間以内であれば、ワクチンの緊急接種が有効な場合もあります(予防、軽症化)。その時期を過ぎると、免疫グロブ リンの筋注を行う場合もあります。
成人麻疹に対して、リバビリン静注が有効との報告もありますが、まだ、その効果については研究中といったところです。

●検査;
CF,HI,EIAなどの抗体検査を行います。EIAのIgMは感染早期であることの確認になります。過去の感染の検査としてはEIAのIgG検査が有効です。

満一歳になれば、なるべく早くワクチン接種の接種を行いましょう。
(MRワクチン、麻疹風疹混合ワクチン)。幼稚園年長児の年齢には、2回目の接種を受けましょう。小学校入学1年前の4月1日から、直前の3月31までが接種期時期に指定されています。

成人の方で不安な方は、抗体検査を行いましょう。またワクチン接種も受けましょう。男女とも年齢に関わらず接種可能です。
風疹ワクチン混合の場合には、妊娠していないことの確認と接種2ヵ月の 避妊が必要です。ご相談ください。

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