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副腎皮質ステイロイド外用薬の使い方

ステロイド外用薬は強い抗炎症作用を持つお薬です。
副作用もあり、使用をためらわれる方もありますが、とても優れたお薬であることも忘れてはなりません。
副作用と効果をよく知って、適切な使い方をする必要があります。

ステロイド外用薬の効果と副作用については5段階の評価がなされています。
最強(strongest);デルモベート、ダイアコートなど
非常に強力(very strong);リンデロンDP、ネリゾナ、マイザーなど
強力(strong);ベトネベート、リンデロンV、フルコートなど
中程度(medium);キンダーベート、ロコイド、アルメタなど
弱い(weak);コルテス、プレドニゾロン、オイラゾンDなど

上記の5群(5段階)です。
この評価は、血管収縮指数と臨床効果を合わせてなされますが、使用する際の指標になります。

*以下の文章では、strongest(s.g),very strong (vs),strong (s), medium (m),weak (w)と略します。

●ステロイド外用薬の副作用

〇塗った部位に対する副作用;
にきび、肌荒れ。皮膚の赤みや萎縮、しわ、多毛など。
また細菌や真菌が感染していると、その増殖を助長します。炎症は免疫反応でもあるのですが、それを抑えてしまうからです。

〇副作用の起きやすい部分;
顔面(毛包や血管が多い)、頸部、外陰部(皮膚が薄い)などです。
また眼周囲では、長期使用で眼圧亢進や白内障併発の恐れもあります。
上記部分では、vsの使用や、弱いものでも長期使用は避けます。

〇全身に対する副作用;
広範囲に長期使用すると全身的な副作用が出現する場合もあります。
s以上のものを1日10g〜60g以上数ヶ月使用すると、下垂体副腎皮質機能抑制などが起こりうるとされています。しかし一般の方には ありえないような分量ですね。1日に5gのチューブを2本〜12本ですから。
このような特殊なケースでは、血中コルチゾール値、血糖値、尿糖などをチェックする必要があります。

●基材による使い分け

軟膏;刺激性が弱く、湿潤、乾燥部位ともに用いることができます。直接塗ったり、ガーゼに伸ばして使います。

クリーム;刺激性が強いので糜爛面(荒れている場所)には使用しないほうが良いとされています。ベトつかないので夏場には使いやすいです。ただし、刺激性などによる接触性皮膚炎の頻度は軟膏などより多くなります。

ローション;髪の毛の部分に用いられます。刺激性がありますが、アルコ ール基材のものはさっぱりとした使用感があります。

ゲル;乾燥部位に用います。

スプレー;広範囲に使用しやすく、手の届かない部位にも使えます。日焼けや乾燥部位に使います。

テープ;乾燥や肥厚病変に用います。また難治性の結節や角化性病変にも適応があります。

●強さによる使い分け;

高齢者;表皮も真皮も萎縮気味なのでvs以上のものは避けます。

乳幼児;なるべくm 以下のものにします。効果があれば速やかに他の保湿剤やスキンケア製剤に切り替えます。

顔面;吸収率がよく、副作用(血管拡張、皮膚萎縮など)が出やすいので、なるべくm 以下のものにし、また1回量を少なくします。

手のひらや足の裏;角質が厚く、吸収が悪いのですが、副作用も出にくいとされています。s以上のものを使用し、効果が出れば弱いものに切り替えて行きます。

慢性の経過をたどるもの;例えば、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などではvs以上の長期使用は避けるようにします。

必要以上に副作用恐れず、また侮らずに、適切な使い方で対処していきましょう。
急性疾患で短期使う場合には、そんなに副作用を心配する必要もないとも思います。私自身や家族はけっこう良く使っています。
しかし、可能であれば、他のスキンケア薬に切り替えることも大事ですし、また尿素軟膏などを混合して、副作用を弱めるといった手立てもあります。

とはいえ、実際問題としてステロイド外用薬の使用には、ずいぶん心配される方も多いので、じっくり相談した上で、使用して行きたいと思って おります。

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