お知らせ

川崎病

一般のクリニックでも時おり見受けられる疾患です。
4,5歳以下の乳児や幼児によく見られますが、大きい年齢の人にも 起こりますので油断できません。急に高熱が出て、通常の治療では解熱せず、皮膚に発疹が生じ、リンパ節が腫れてくるようだと、とりあえず「川崎病かもしれない」との疑って調べていくことが 必要です。
しだいに眼球結膜がウサギさんの目のように赤くなっていきます。
唇も、まるで口紅を塗ったように赤くなっていきます。舌もイチ ゴのようになっていきます。手がグローブのように腫れ、手の皮 が手袋のように剥けて行きますが、手足の腫れはかなり後のことであり、そのずっと前に入院治療を始めておく必要があります。

原因は不明とされています。溶連菌感染症と似通った症状もありますが、溶連菌感染症とは異なり、抗生物質は無効です。さまざまな原因説があり、研究がなされているところです。

この病気の本体は、急性の全身の血管炎です。特に問題なのは、 心臓に血液を送っている冠動脈を特異的に冒すことです。冠動脈に 拡大性病変(動脈瘤)を作り、血栓性の閉塞や虚血性心疾患を起こしてしまいます。
血液の中には、多種の大量の炎症性のケモカインやサイトカインが出現 するため、全身に合併症を起こしていきます。心血管系のみならず、胆嚢や脳炎などの合併にも注意が必要です。致死率は0.3%、再発率は数%とされています。

●最も大切なのは、早期診断、早期治療です。
「川崎病診断の手引き」という文書があり、それを参考にした場合、
A主要症状、B参考条項などを中心に診断されていきます。
以下に、ごく簡単に書きます。
詳しくは川崎病合同ホームページでご覧になってください。

A、主要症状
(1)5日以上の発熱
(2).眼球結膜(眼球の白い部分)の充血
(3)口唇(こうしん、くちびる)や口腔の所見
(4)発疹など
(5)手足の変化、急性期と回復期
(6)頸部リンパ節腫張
以上のうち5つ、場合によっては4つで診断されます。

発熱項目は、治療解熱(発熱5日未満でも、発熱項目を満たすとする)の部分が改定されました。

●急性期の治療
速やかに診断し、速やかに治療を行うことが大切です。急性炎症を抑えるためには、免疫グロブリンの超大量療法(IVIG)が行われます。
IVIGの適応基準は、原田のスコアというものを目安にします。また、抗血小板薬による血栓形成を防止する治療も行います。

*参考;原田のスコア;
白血球12000/μl 以上、ヘマトクリット35%未満、血小板35万/μl未満、CRP4.5mg/dl以上、血清アルブミン3.5g/dl未満、男児、生後13ヶ月未満。
(最悪期4点以上でIVIGの適応。)

治療薬としては、献血ベニロンI、アスピリン(フロベン)、ソル・メドロール、ミラクリッドなどが使われます。また血漿交換療法 が行われることもあります。

●急性期以後の治療
血管内皮の障害が回復するまで、発病してからおよそ2ヶ月程度は、経口薬によって治療します。冠動脈瘤がない場合にはアスピリンを服用します。
動脈瘤が認められる場合には、パナルジン、ワーファリンなどで抗血栓療法を行います。

*参考;
冠動脈瘤;最大径5mm未満、アスピリン単独。5mm以上、パナルジンを併用。
内径8mm以上の巨大瘤。血栓形成が示唆される場合、ワーファリンの使用も。

冠動脈狭窄病変があれば、インデラル錠で治療します。ロータブレーター (狭窄病変を削り取る)、バイパス手術などの方法がとられる場合もあります。

治癒してからも、5〜6年は定期健診を受けていきましょう。
また免疫グロブリンを使用した場合は、予防接種は9ヶ月ほど待つ必要があります。

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