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線維筋痛症

最近よくメディアなどで話題になる疾患なので、ご存知の方もおられるかもしれません。しかしまだまだ、社会的にも医療関係者の間でも認知度は低い病気です。

アメリカでは1970年頃から知られるようになりましたが、日本では、このたび厚生労働省に研究班が設置され、その実体と原因や治療法などが調査されることになりました。

症状としては、慢性疼痛が主体であり、全身のあちらこちらの筋肉や関節が痛みます。痛みのほかに、不眠や抑うつ状態など、精神症状を伴うことが多く認められます。痛みの範囲や程度は、軽度から激痛までさまざまですが、範囲が広い人ほど、痛みの程度も強い傾向があるようです。

若い人にも男性にもありますが、一般的には中高年の女性に多く、更年期障害、自律神経失調症、不定愁訴などと間違われることも あります。その原因はいまだ不明であり、さまざまな検査を行っても異常が見つからないのが特徴です。

全身の筋肉や関節の痛みを訴えて病院を受診した場合、症状 に応じて各種の検査がなされます。血液(筋疾患の酵素、CRPなど)、X線、筋電図、CT、MRIなどの検査です。ところがこの病気では、各種検査で異常が出ないため、「何もないから大丈夫!」などと言われて、あちこちの病院を回っても、理解もしてもらえないし、治療もしてもらえない場合があるのです。

アメリカリウマチ学会の分類基準では、全身18箇所の圧痛点のうち11箇所以上に圧痛を認めること、痛みが3ヶ月以上続くこと、検査をしても異常を認めないことなどが、診断の基準として挙げられています。

原因は、今のところ不明とされていますが、ウイルス感染の関与 や遺伝子の異常なども示唆されています。また、外傷や事故や手術 などが引き金になる場合もあります。さまざまな精神的ストレスも大きな原因になるのではないかと考えられています。

そのようなことが原因で、神経や内分泌や免疫系などに異常が起こり、 さらには中枢神経の異常を引き起こしてしまうことにより、痛みの回路が変わり、痛みが増幅しているのではないかと推定されています。

●治療薬
ノイロトロピン(疼痛抑制薬)、抗不安薬、抗うつ薬、副腎皮質ステロイド薬などが、状況に応じて選択されます。
また薬物療法以外にも、運動療法や精神ストレスに対応した生活指導などが必要とされています。

●現時点でのこの疾患の本質に迫るキーワードは、
「痛みの回路の変化」「中枢性神経性疼痛」「中枢性疼痛抑制機構の異常」などです。精神的疾患とはされていません。
脳や中枢神経系にかかわりのある疾患といった線で研究が進められているわけですが、一日も早い本体の解明と、有効な治療法 の開発が待たれるところです。また、現時点で有効なノイロトロピンやステロイドホルモン治療などの臨床試験も待たれるところです。

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