お知らせ

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマという細菌(ばい菌)による感染症です。
原因菌は肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumonie)という名前です。
遺伝子量(図体)が普通の細菌の5分の1程度と小さく、通常の菌が持つ細胞壁を持っていません。したがって、細胞壁を 壊して菌を殺す、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が効かないのです。

このばい菌自体にはあまり強い細胞障害性はなく、宿主(患者)との免疫応答の関係で病状が進行するとされています。ですから免疫が強いはずの5歳から35歳くらいの元気な人で、特に症状が重くなり肺炎になりやすいのです。
抗体検査をすると、1歳までに40%が、5歳までに60%が、成人になるまでに97%が罹患しているとされています。
再感染も多く、何回も重い症状を繰り返す場合もあります。

外来に「長引く咳」を主症状としてこられた患者さんは、まずマイコプラズマ感染症を疑う必要があります。以前は「4年に1回流行する」などと言われていたらしいのですが、今は年中流行っている のが実情です。

飛沫感染でうつり、潜伏期は5,6日から1ヶ月(平均2週間前後) とされています。非常に幅がありますね。

マイコプラズマの感染によって、上気道炎(喉や鼻の症状)、そして下気道炎(気管支炎、肺炎)などがひきおこされます。そのほか、 中耳炎、副鼻腔炎、胸膜炎などにも注意が必要です。

肺炎へと病状が進みますと、6割の人に急激な発熱と、頭痛や全身倦怠感などの症状が起きます。咳は空咳からしだいに痰の多い咳へと変わって行きます。4割の人では微熱としつこい咳が続きます。
細気管支から肺胞にかけて単球の浸潤が見られ、主として間質性肺炎と呼ばれる状態になります。レントゲンでは肺に著明な影が出現します。

●治療
マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系抗生物質。
成人;クラリス、ジスロマック、ミノマイシンなど。
小児;クラリス、ジスロマック、ダラシンなど。
マクロライド耐性菌にはクラビット、シプロキサンなどが使われます。
肺炎などで入院した場合には注射薬で治療します。

小児にミノマイシンを使用すると、歯牙や骨の形成に影響が出る場合があります。(当院では使っていません)

肺炎になってから治療するより、初期の上気道炎から気管支炎を起こし始めた 段階で治療を開始したいですよね。セフェム系やペニシリン系の抗生剤を服用しているにもかかわらず咳が長期続く場合は、上記の通りまずマイコプラズマ感染症を疑うことが必要です。
このような方の血液検査をすると、多くの人にマイコプラズマ抗体価の上昇が認められます。心配な方は早めに 受診してください。

 

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