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ロタウイルスによる感染性胃腸炎(嘔吐下痢症、白色便性下痢症)

感染性胃腸炎にはさまざまな原因がありますが、冬季の嘔吐下痢症の病原体は、ノロウイルス(GT,GUなど)、サポウイルス、ロタ ウイルスなどウイルスが中心となります。なかでもこのロタウイルス が、冬の乳幼児の急性下痢症の最も主要な原因になっています。

テレビなどで話題なったノロウイルスは秋から年末にかけて流行ります。
ロタウイルスは11月頃から4月にかけて多く発生するとされています。
かかりやすい年齢は、生後6ヶ月から2歳の乳幼児で、5歳までにほ とんどの小児が一度は罹患するとされています。

症状は、米のとぎ汁のような白色の下痢便や嘔吐などで、高熱が出ることも多く、ノロウイルスよりは重症感がある場合が多いです。

潜伏期は約2日、発熱や嘔吐は1〜2日、下痢は5〜7日前後続く場合があります。汚染された水や食べ物、汚染された身の回りの物品(家具、器具、おもちゃ、衣類、タオルなど)などに触れて感染していきます。

●外来迅速検査;
便を採取して迅速検査を行います。(A群のみ)

●免疫
感染後の免疫は不完全で持続しないため再感染がありますが、再感染の率は年齢と共にしだいに下がり、症状も軽くなっていきます。
年長児や成人では、症状の出ない不顕性感染が多く認められます。

●脱水症の予防と治療
イオン飲料などで水分を補給。少しずつ何度も飲むようにします。
経口補水塩(ソリタT顆粒3号)などをぬるま湯で薄めて飲みます。経口補液が不可能な場合は輸液(点滴)治療を行います。

●食事療法;
12時間程度は補液剤のみ。徐々に野菜スープや初期離乳食に準じた 固形食、お粥や、煮込みうどんなどをあげます。母乳はどのような時期にも続けて良いです。下痢が長引く場合には、人工乳の希釈や、無乳糖乳(ノンラクト、ラクトレス)、牛乳タンパク加水分解乳など を考慮します。

●お薬
嘔吐には、ナウゼリン。
整腸剤;ビオラクチスなど。
下痢止め;原則として使用しない。特にロペミンは麻痺性イレウスを起こすことがあるので使用禁止です。
タンナルビン、アドドルビンなどの収斂薬、吸着薬は使用可能です。
乳酸菌製剤も(ミルクアレルギーがなければ) 使用します。

●消毒は、熱湯や0.05〜0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが有効です。
市販の塩素系漂白剤を50〜100倍程度に薄めて使ってください。
感染予防のためには、消毒だけではなく、頻繁に良く手を洗うこ とがとても大事です。

*参考
ロタウイルス;レオウイルス科。A、B、C、D、E、F,の6つの血清群 に分けられる。A、B、Cの3つが人間に感染。ほとんどはA群。ときに C群。A群はウイルス表面の構造タンパクよりG1-G15型に分類される。 構造タンパクの遺伝子の解析によりP遺伝子型[1]-[15]型にも分類され、 G型分類とP遺伝子型分類の組み合わせで様々なタイプが出現します。

アメリカでは経口生ワクチンが使われていますが、日本ではまだ導入されていません。乳幼児にとって下痢はとても重い疾患です。油断しないように いたしましょう。

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