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高脂血症

生活習慣病のひとつで、血液中の脂質が増えすぎた状態です。
血液中の脂質には、コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、 リン脂質、遊離脂肪酸などがあります。脂質は体に必須の栄養素 で、コレステロールは細胞、細胞膜、ホルモン、胆汁酸など原料になり、中性脂肪はエネルギー源として脂肪細胞に貯蔵されます。

しかしながら、血中のコレステロールや中性脂肪の多い状態が続くと動脈硬化が起きてしまいます。高脂血症は自覚症状がないままに動脈硬化が進んでしまうので「沈黙の疾患」と呼ばれています。

コレステロール、特にLDL(悪玉)コレステロールが多くなると、 動脈の壁にコレステロールが沈着し、動脈壁が厚く硬くなったり、 動脈内腔が狭くなったりします。その結果血液が流れにくく なり、血栓などができて詰まりやすくなるのです。
LDLコレステロール取り込みによる血管内壁の膨隆を粥状硬化 (アテローム硬化)と呼びます。

中性脂肪の場合は、増えすぎると小さな粒子になり血管壁に取り込まれます。また中性脂肪の増加により、HDL(善玉)コレステロールが減り、LDL(悪玉)コレステロールが増えるという現象が起きます。
このように中性脂肪も動脈硬化に関与しています。 また高中性脂肪は、慢性膵炎や脂肪肝の原因になります。

●高脂血症の原因;
家族性高脂血症;家族性高コレステロール血症。遺伝性疾患です。
総コレステロール〜300mg/dl 以上の人は精査が必要です。
二次性高脂血症;動物性脂肪過多の食品、運動不足、喫煙、糖尿病、肥満、他の疾患によるもの(甲状腺、腎臓など)

●動脈硬化により引き起こされる疾患;
脳梗塞や脳出血(脳卒中)、狭心症や心筋梗塞(冠疾患)
大動脈瘤、腎臓病、高血圧症、眼底の異常など。

●血液検査;

男性40歳、女性50歳以上になれば定期的に受けましょう。前日の夜は9時 までに食事を摂り、朝食は抜きます。前日からお酒は飲まないようにします。
基準値
総コレステロール 220mg/dl未満
LDLコレステロール 140mg/dl 未満
HLDコレステロール 40mg/dl 以上
トリグリセリド(中性脂肪の一種) 150mg/dl 未満

女性の場合、閉経後に20mg/dl程度上昇します。
総コレステロール値が低い場合も問題です。
130mg/dl 未満で脳出血などを起こしやすくなります。

【参考】
HDLコレステロール;いわゆる善玉;細胞内や動脈内の不要なコレステロールを取り込んで肝臓に返す役割を担っています。
LDLコレステロール;いわゆる悪玉;全身にコレステロールを運ぶ役割をしていますが、増えすぎると血管内壁に付着して血管を傷つけます。
LDLコレステロールやHDLコレステロールは「リポたんぱく」です。これは、コレステロール、中性脂肪、たんぱく質、リン脂質などが結合したもので、結合により水溶性となり、血液に溶けることできます。

【治療】
●高脂血症を防ぐ食事
1.バランスのよい食事をとる
2.総カロリーを抑えて、体重を適正に保つ。標準体重×25-30kcal。
3.飽和脂肪酸(肉類)を抑え、不飽和脂肪酸(植物、魚などの脂)を多くとる。脂質は総カロリーの20〜25%
4.ビタミン、ミネラル、食物繊維などをよくとる。
5.コレステロールを含む食品を減らす。コレステロールは1日300mg以下。
6.中性脂肪が高い人は、砂糖、果物の糖質や、お酒(アルコール)を減らす。

動物性食品の脂肪には飽和脂肪酸やコレステロールが多く、血中の総コレステロール値(特にLDL)を上昇させます。魚や植物性の油には多価不飽和脂肪酸が多く、同値を低下させます。
コレステロールの多い食品、卵の黄身、肉の脂身、魚卵、イカ、エビ、ウニ などは摂り過ぎないように注意しましょう。卵は1日1個程度まで。バターやマヨネーズをやめ、植物性のドレッシングを使いましょう。蛋白質はなるべ く大豆製品などから摂るようにしましょう。

●運動療法;
1日30分程度の中等度の運動を行いましょう。まずは週に2,3回から。
運動の目的;エネルギー(カロリー)の消費。血行の改善。血管をよい状態に保つ。LDLコレステロール(悪玉)を減らし、HDLコレステロール (善玉)を増やす。

●お薬による治療
コレステロールのみが高い、中性脂肪値が高い、両者が高いなど、タイプに合わせてお薬を選びます。
〇HMG-CoA還元酵素阻害薬;メバロチン、リポバス、ローコール、リピトールなど。LDLコレステロールを下げる。
〇陰イオン交換樹脂;コレバインなど。LDLコレステロールを下げる。
〇クロフィブラート誘導体;ベザトールSR、リパンチルなど。
中性脂肪を下げる。

●禁煙
●他の原因疾患の治療(糖尿病、肥満症、甲状腺機能低下症、腎疾患など)

日本人の食生活が欧米化することによって高脂血症はどんどん増えており、50歳以上の人の3人に1人は該当するといわれています。早めに診断を受け、合併症の予防に努めましょう。

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