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溶連菌感染症

この名前はどこかで耳にされた方が多いのではないでしょうか。溶血性連鎖球菌という細菌(ばい菌)の感染により起こる病気です。
この菌の種類はたくさんあるのですが、A群β溶血性連鎖球菌が最も重要だと考えてください。病態が進むと猩紅熱(しょうこうねつ) と呼ばれる状態になります。

溶連菌はヒトの咽頭(のど)に住んでおり(常在菌)、ウイルス感染による気道の損傷などが引き金になって発病します。ヒトから ヒトへ飛沫感染や接触感染によってうつり、咽頭炎、扁桃炎、とびひ(伝染性膿痂疹)などをひきおこします。

幼児期や少年期から青年期に多く、成人には少ないです。また乳児期にもお母さんからもらった免疫おかげであまりかかりません。
寒い季節に多いのですが、梅雨時や他の季節にも見られます。

潜伏期は2〜5日程度です。咽頭炎や扁桃炎が起き、のどが痛くな ったり、発熱、頭痛、首のリンパ節炎などの症状が認められます。
口蓋垂(のどちんこ)のまわりには点状の紅斑や出血斑が出現します。

溶連菌からは発赤毒素(Dick毒素)と呼ばれるものが放出され、体に発疹を作っていきます。これが猩紅熱と呼ばれる病態です。
発疹は、赤色点状の小丘疹が、腋下、鼠径部、頸部、そして全身へと広がって行きます。舌は苺状(苺舌)になり、さらに進むと 発疹は小水疱を作るようになり、一週間くらいで落屑を認めます。
口の周りには発疹はできず、口囲蒼白と呼ばれます。

●溶連菌による初期(一次感染)の病態のまとめ
のどから;咽頭炎、扁桃炎、リンパ節炎など。気管支炎、肺炎。
皮膚から;蜂巣炎、丹毒、とびひ、壊死性筋膜炎など
猩紅熱;発赤毒素による体幹の発疹
まれに;心膜炎、産褥熱、敗血症。

●合併症;
溶連菌感染症には忘れてはならない合併症があります。
感染の結果、時に免疫異常を起こし、糸球体腎炎、リウマチ熱やアレルギー性紫斑病などの原因になるのです。

●再感染;別のタイプの溶連菌に感染した場合や、抗体が十分にできなかった場合には感染をくりかえす場合があります。

●検査;A群β溶連菌抗原迅速検出キット(外来で10分ほどで判定)。
血液検査;ASO,ASK,白血球の異常、CRP,肝機能、腎機能などを調べます。

●治療は;アモキシリン、アンピシリンなど。セフェム系薬やクラリスロマイシンなども推奨されています。
(サワシリン、メイアクト、クラリスなど)発熱や痛みにはアセトアミノフェンを使用します。

●家族や友人、特に小児に対して、抗生剤を3日程度予防的に投与 し、感染を防ぐ場合もあります。

合併症を防ぐために、ちゃんと10日〜14日間抗生剤を服用する ことが大切です。症状が消えても決してお薬をやめてはいけません。
腎炎は2〜3週間後に起きることが多いので、2週間目や4週間目に診察を受けて尿検査などを行いましょう。
治療を始めてから2日くらいで、全身状態が良ければ通園や通学は可能になります。

【参考;溶血レンサ球菌の分類】
溶血連鎖球菌にはA群をはじめとして21群あります。人に感染を起こすものはほとんどA群です。その他、C群、G群が上気道炎、B群が新生児の 敗血症や髄膜炎などの原因となります。
連鎖球菌の種類としては、化膿レンサ球菌、口腔レンサ球菌、その他の レンサ球菌があります。寒天培地上の溶血性により、α溶血、β溶血、非溶血に分類されますが、α溶血レンサ球菌には肺炎球菌、口腔細菌などがあります。β溶血レンサ球菌には化膿レンサ球菌があり、A,B,C,G,L群 などに分けられます。

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