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ラトケ嚢胞(らとけのうほう)

あまり聞きなれない病名だと思いますが、下垂体腫瘍の一種です。
下垂体とは脳の下部にある小豆ほどの小さな器官で、その周辺にできる腫瘍が下垂体腫瘍と呼ばれます。下垂体は豆粒ほどの大きさしかありませんが、各種のホルモンを分泌し重要な役割を担っています。
主な下垂体腫瘍は、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、ラトケ嚢胞などです。

さてラトケ嚢胞ですが、下垂体や下垂体を収めているトルコ鞍の近くに発生した嚢胞状の腫瘍です。視神経の異常(視野や視力の異状)やホルモンの異常などの症状から見つかる場合があります。また症状は無く、脳ドックなどで偶然発見される場合もあります。

この嚢胞は袋状の物体で非腫瘍性腫瘤と呼ばれます。粘膜に包まれ、内容物は粘液のことが多いです。胎児の時の発生の段階に原因があるとされています。この腫瘤が視神経を圧迫し、視野や視力の障害を 引き起こします。また下垂体ホルモンの異常をきたすこともあります。 内分泌症状としては、例えば乳汁分泌や尿崩症などがあります。

●治療
経鼻的手術(鼻の奥からの手術)で嚢胞の中の粘液を抜く。
(下垂体は鼻や眉間の奥で、脳の下部です。)
また、手術は行わず、経過観察で自然退縮を待つ場合もあり、特に症状がない場合には治療の必要はないとされています。

●鑑別
下垂体腺腫や頭蓋咽頭腫などと鑑別することが重要です。

【参考】
○下垂体前葉ホルモン
成長ホルモン、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンと黄体刺激ホルモン)
○下垂体後葉ホルモン
抗利尿ホルモン、子宮収縮ホルモン(分娩時に子宮を収縮させる)

視力や視野の障害や、ホルモン関連の症状が認められたときは、早めに検査を受けることがとても重要です。また、不必要な手術を受けないよ うにセカンドオピニオンを求めることも大切かもしれません。

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